「ニュピ」の前夜に”オゴオゴ”がやって来た!!

ニュピの前夜のオゴオゴ祭り!

バリ島のお正月と言われる「ニュピ」の前夜には、島中でオゴオゴ(Ogoh Ogoh)祭りが開催されます。この祭りには多くの人々とオゴオゴと呼ばれる山車(おどろおどろしい悪魔を形にしたもの)が村々の中心地に集まり、迫力のパレードが見られます。

日本で言うところの町内会・自治組織のバンジャールのメンバーたちは、お揃いのTシャツや衣装を着用し、オゴオゴを後ろから支えながら練り歩きます。バンジャールの若者たちは、オゴオゴを担ぎ、運行することを支援することで、地域の連帯の気持ちを示すのです。だから、オゴオゴはバリ島のバンジャールにとって、とても大事な一大イベントなのです。

オゴオゴは単に練り歩くだけではなく、バンジャールの若者たちによる舞踊劇やブレガンジュール(鼓笛隊のように歩きながら演奏する、バリの伝統的なガムラン演奏)のパフォーマンスが披露されます。本来、オゴオゴは祭りのクライマックスで破壊されるのが伝統ですが、近年では各バンジャールが制作に多額の費用をかけるようになり、バリ州政府主催のオゴオゴ・コンテストも開催されるようになったため、現在ではオゴオゴを破壊せず、祭りの後も記念として保管されることが多くなっています。

最終的に、オゴオゴの処遇はバンジャールや地域住民の判断によります。オゴオゴが販売されることもあれば、伝統に従い焼却されることもあるのです。出来の良いオゴオゴは、ラグジュアリーホテルが買い取ってロビーに展示したりもするんですよ。

ニュピってなに?

「ニュピ(Nyepi)」は、サンスクリット語の「セピ(Sepi)=静寂」から由来する言葉で、ヒンドゥー教のサカ暦に基づく新年の祭りであり、その起源は西暦78年にさかのぼります。日本で言うところの「お正月」ですね!

ニュピの最大の目的は、人間世界と宇宙全体を浄化し、ヒンドゥーの最高神へ祈りを捧げることにあります。

また、大切なニュピの前には、いくつかの重要な儀式が行われます。だからバリ人の私たちは、ニュピの前はとても忙しいのです。

  1. メラスティ(Melasti)
    ニュピの数日前に行われる浄化の儀式です。寺院(プラ)のすべての祭具を海や川へ持ち出し、聖なる海水で清めます。ヒンドゥー教では、海は「ティルタ・アムルタ(Tirtha Amertha)=生命の源の水」と考えられています。メラスティは、汚れを大自然の水の力で清めることを意味しています。
  2. タウル(Tawur)/メチャル(Mecaru)
    これは「ブタ・カラ(Bhuta Kala)=邪悪な力」を鎮め、家や村、地域全体を清める儀式です。タウル・メチャルは、ニュピの前日に行われ、あらゆる悪しきものを払い去る目的があります。オゴオゴが始まる前に行われる儀式なんです。
  3. プングルプカン(Pengrupukan)の日
    邪悪な存在であるブタ・カラ(悪魔)を家や周辺地域から追い払う儀式を行う日が、プングルプカンの日です。バリ島各地ではオゴオゴのパレードが行われます。オゴオゴとは、悪霊を象徴する巨大な人形なので、この日に追い払うというわけです。オゴオゴは、地域ごとに趣向を凝らして作られ、村中を練り歩いた後は燃やされるのが一般的です。これは、邪悪な存在を完全に消し去るという意味が込められています。オゴオゴの名称は、バリ語の「オガオガ(Ogah-ogah)=揺れ動くもの」に由来しています。だからオゴオゴは、ゆらゆら気味悪く動くものが多いのかもしれませんね!

ニュピ当日の過ごし方

ニュピ当日は、ヒンドゥー教徒は「チャトゥル・ブラタ・ペニェピアン(Catur Brata Penyepian)」という4つの戒律を守り、完全な静寂の中で過ごします。だからニュピは、サイレントデーと言われるのです。

  1. アマティ・ゲニ(Amati Geni) – 火や電気を使わない(灯りをつけない)
  2. アマティ・カルヤ(Amati Karya) – 仕事をしない
  3. アマティ・レルンガン(Amati Lelungan) – 外出しない
  4. アマティ・レラングアン(Amati Lelanguan) – 飲食をしない

また、人によっては瞑想(タパ / Tapa)、修行(ブラタ / Brata)、ヨガ(Yoga)、座禅(セマディ / Semadhi)を行います。この日は、島全体が静寂に包まれ、まるで無人島のようになります。家の明かりも消え、誰も外に出ることはありません。もちろん空港もクローズです。だからニュピの夜に衛生から見ると、バリ島だけが真っ暗になるようです。また、晴れていれば天の川まで見えて、星降る夜が体験できますよ!

ニュピの翌日の儀式ンバッ・ゲニ

ニュピの翌日は、「ンバッ・ゲニ(Ngembak Geni)」と呼ばれる日です。この日から、新しいサカ暦の1年が始まります。ヒンドゥー教徒たちは家族や近隣住民とともに「ダルマ・シャンティ(Dharma Shanti)」を行い、感謝を捧げ、互いに許し合い(クサマ / Ksama)、心を清めて新たな一年を迎えます。ニュピにすべてのものが浄化され、新たなスタートが切られるわけですね!

ちょっと怖くて、ちょっとスピリチュアルで、かなりディープな「ニュピ」。オゴオゴに会いに、ニュピに浄化しにバリ島へ訪れるのもいいかもしれませんね!ニュピの日は、ホテルからは出られませんが、そんなまったりバリ島滞在もいい経験になると思います。バリ島でお待ちしています!